焼き物で宝石みたいな美しい作品を作りたい。
そんな思いから作られたジュエリーの器たち。
このジュエリーの器たちは表面にとても細かい銀の粒が無数に散りばめらている。これは一つ一つ置いていったものではない。
銀が窯の中で動き、勝手に銀が丸い粒になり星空のようになるのだ。
さらに器の見込みは銀が流れ溜まり、大きな銀の粒が現れる。
宝石の器の誕生である。
このジュエリーのシリーズは2002年の初個展の時から発表されていた。
はじめて開発された初期のジュエリーは2001年。まだ陶芸を初めて2年目の学生の時だ。
学生の時から焼き物の「釉薬」の魅力に引きつけられ、
毎日毎日、釉薬の実験をする部屋で多くの釉薬のテストピースを作っていた。
それをこまめに窯に入れて焼く。実験の繰り返しの日々だ。
多くの失敗もあった。しかし、その失敗から生み出された釉薬も多くある。
その一つがこの「ジュエリー」です。
「失敗かな…」と思って眺めていたテストピースをじっと見ていると、一部分に小さな小さな銀の粒ができていた。
「なんだろうこれは!!??粒になっている!!」
それから、そのテストピースの調合を掘りまくって実験を続けていくうちに銀の粒を動かせるようになってきて、ジュエリーが生まれてきたのだ。
なかなか作る機会が少ないジュエリーの器。初めて見る人も多いと思うので制作してみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
陶芸家 青木良太