何だろうなぁ…冬ってなぜか日本酒をアル中(お酒を飲むこと)したくなる。
わたしは日本酒は糖質が多いからあまり普段は呑まないのだが、寒くなるからか、最初の一杯は日本酒が欲しくなる。
わたしの食器棚には盃コーナーがあり、自分の作品や他の人の作品の盃が200種類以上ある。
「さて、今日はどの盃でアル中しようかな?」
この瞬間がとても楽しいのである。
「冷や」でヤルときは口が薄い「王様シリーズの盃」などが多い。
また、夜が遅いときは暗闇で釉薬が光る「天空の盃」を使う。
酒を入れ、夜空の星や月のカタチや光をツマミにして呑むから最高だ。季節を感じられる。
寒い時期には日本酒は温めるのも良い。片口に日本酒を入れて、鍋にお湯を沸かし、その中に徳利を入れてクツクツ温める。
これは体がとても暖かくなるので寒い日には最高である。
(勿論、徳利に酒を入れて電子レンジでチンは禁物だ。器も酒も丁寧に扱わなくてはいけない。)
この場合の盃はやはり土モノだ。薪窯で焼いた「志野」「黄瀬戸」「黒織部」「織部」などはホッとする。
「あー日本人なんだなぁ…」と感じるときである。
他の作家のものを使う時もある。何十種類の作家のものがあるが、使うのは限られている。
主にわたしのBig4
・「西田潤」(同年代の唯一のライバルで20代で亡くなったマイ麺)
・「鵬志堂イサム」(人生で一番はじめに出会った陶芸家。大学の時に出会った)」
・「穴山大輔」(親友。共にIKEYANをやってきた。翠窯という陶磁器ブランドしてる瀬戸で一番勢いある作家)
・「鯉江良二」(弟子入りはしていないが、わたしの心の師匠であり親友である。)
普段みんなに会えないから、あいつ何してんのかな?って思う時に手にとってアル中する。
西田くんはもう天の世界に行ってるので、彼の器で呑む時は外で夜空を眺めて語りかけながら呑んでいる。
盃というから日本酒を入れるものとは限らない。
盃を中国や台湾の個展に持っていくと、中国茶のお茶碗になる(この小ささがいいみたい)。
他にコーヒー入れてもいいし、お花入れてもいい。飾っててもいい。
個展に来てくれて盃を購入してもらった人に色々使い方を聞くが、お酒飲めない方とかは「アクセサリー入れます!」って人も多い。
カワイイなぁ。そんな使い方もあるのか、と気付かされる。
今回はいろんな土を使って制作したから、土によって表現が違う。
盃以外にも珍しく片口を作った。
そして、今回チカラが入ってるのが徳利。
RAKUの時のdancingなカタチではなく、綺麗なフォルムの徳利が生まれた。
この寒い冬。自宅で青木良太の酒器で楽しんでください。
陶芸家 青木良太